令和4年(不)第44号 株式会社WORK JAPAN /apricot planet Pte. Ltd.事件 提訴のお知らせ

DMU労働労務相談所(東京都板橋区、所長宮城史門,以下「弊所」といいます。)は、令和4年8月1日、東京都労働委員会において、株式会社WORK JAPAN(東京都港区、社長松崎みさこと江戸みさ氏,以下「被申立人WORK JAPAN」といいます。)、apricot planet Pte. Ltd.(シンガポール共和国、代表者松崎みさこと江戸みさ氏,以下「被申立人apricot」といいます。)ほか個人1名の3社を被申立人(被告)とする不当労働行為救済申立事件を提訴致しました。

事案の概要

本事案は、被申立人WORK JAPAN若しくは被申立人apricot(ペーパーカンパニーである被申立人apricotの経営実体は被申立人WORK JAPANに存すると考えられます)に雇用されていた労働者1名が、突如、被申立人らを普通解雇されたところ、当該労働者が弊所に加入し、団体交渉の申入れに至ったのですが、被申立人らは、弊所からの団体交渉申入書及び催告書のいずれをも無視し、また、当該組合員の解雇予告手当(特約により2ヶ月分)すらも支払わないという悪質な様態であることから、検討の上、提訴の判断に至りました。

本件に予想される争点

本件では、雇用契約書の文面においては雇用主が被申立人apricotとなっているところ、被申立人apricotはシンガポール共和国のペーパーカンパニーであり、一般的には法的責任の追及が困難です。

しかし、雇用契約書によれば、雇用契約の準拠法は日本法によるものとされており、また、複数の証拠によれば被申立人apricotの経営実体は被申立人WORK JAPANに存することが明らかなっております。

弊所としては、これらの証拠を総合すれば、被申立人apricotは法人格否認の法理の適用を受け、日本に居住する松崎みさこと江戸みさ氏が被申立人apricotの活動の責任を負うことになるか、そうでないとしても、経営実体を有する親会社であると考えられる被申立人WORK JAPANに使用者としての責任が存するとの判断を受けるべく、訴訟活動を実施して参ります。

本件の問題性

本件においては、当該組合員としても被申立人らの立場を尊重し、もしも約束通り2ヶ月分の解雇予告手当を支払うのだとすれば、不当解雇については争わず不問とするとの提案もしていた経緯がございます。

しかし、被申立人らは、自ら作成した雇用契約書で約束した2ヶ月分の解雇予告手当すら踏み倒し、日本法によれば応諾義務がある団体交渉にも応じておりません。このような組合員の善意を踏みにじる背信的な使用者に対し、何らかの法的制裁が必要であることは火を見るよりも明らかです。

なお、被申立人らの代表者である松崎みさこと江戸みさ氏は、上場企業である株式会社BASEの社外取締役を務めるなどしており、社会的にも責任の大きい人物であるといえます。弊所としては、本件申立手続を通して、東京都労働委員会の指導のもと、被申立人らに対し、団体交渉の応諾及び解雇予告手当支払義務の履行を求めて参る所存です。

当該会員のコメント

松崎みさ氏(及びWORK JAPAN/apricot planet またはサービスプラットフォーム名称のmetaverse Job Japan)が取り組もうとしている事業は、「Play to Earn(ゲームをプレイしながら稼げる)」をコンセプトにする「NFTオンラインゲーム」のギルド(スカラーシップ)ビジネスです。

このギルド形態がオンラインゲーム上に出現してから2年ほどが経過していますが、一部の有識者たちから「農奴制システムのようなもので、搾取構造前提になってしまっている」と非難を集めています。「Job To the People, Life To the People」と松崎氏は自身の metaverse Job JapanのHPや各プラットフォーム内で燦々とコピーを謳っています。

「世界のあらゆる人にメタバース、オンラインという手段を用いて、機会を提供したい」
「たとえばバングラデシュやアフリカ、全く機会がない人たちが、私たちのプラットフォームを通じて、生活が豊かになっていくのであれば、それが本望」

入社を決める前に松崎氏が熱く語っていたことであり、私はこの強い想いと願いに共感を覚えました。

ここの加え、スタートアップとしては異例の「2ヶ月前通知期間(採用開始日から適用とHR会社の人間にも二重確認済み)」という条項に、松崎氏の私の採用に対する「心意気」を大変嬉しく感じ、入社を決意した経緯があります。

しかし現実はどうだったでしょうか。

松崎氏と最も近い位置にいる一人だった、正規フルタイム雇用の私が、日雇い労働者の如くその日限りでクビを切られ、契約書に書かれてある「2ヶ月前解約通知」も反故にされました。

個人的にも請求懇願を繰り返し、その後組合を通じて解決のためにコンタクトを取り続けているにも関わらず、完全に無視という状況が続いています。

業界そのものが「農奴制」と非難を集めていることは紹介しましたが、まさに同じ感覚、言葉遣いを変えるならば「使い捨て」の考え方に近いです。


長くなりますが、もう一点だけ言わせてください。

私自身、ブロックチェーンの業界に最初に入ったのは2016年です。

仮想通貨取引所の設立、運営、各種ICO(新規暗号通貨上場)企画などに関わった後、一旦ブロックチェーン業界から身を転じました。

その原因は、関係者のクオリティーが担保されないからです。つまり関係してくる人が、詐欺まがいのギリギリのビジネスをされているグレーな方に出会うことが、他業界と比べると頻発するのです。

多くは語りませんが、その後別のテック業界に移り、いかに酷い業界体質であったのかをまざまざと見せつけられました。

もちろん、同じブロックチェーンでもまともな会社は多数存在しています。

本当に社員を大切に扱い、経常利益を安定的に確保しながら、社会貢献とテクノロジーの進化のために前進・成長している企業を私はたくさん知っています。

ただ、法令や規制も整備されておらず、市場価値が上がり続ける産業というのは、得てして「詐欺まがい」「法令違反を繰り返す」ような人が参入しやすい素地があ流のです。

現在、詐欺まがいの非常識な人たちはWeb3.0、メタバース、NFTという「新しいバズワード」の世界に、ブロックチェーンや仮想通貨から流れ込んできており、私自身もこういう「ワーキングクオリティーの悪質さ」を憂慮する部分は入社前にありました。

今回、残念ながら、松崎みさ氏の運営しているmetaverse Job Japanでも、やはり、「関係者のクオリティー」が担保されないことが証明されようとしています。

関係する株主(有名投資家の谷家衛氏やForbes日本編集長の高野真氏など)に対する一般的な評価も入社を決意する理由になりましたが、これらの方々も同様のクオリティーであるとすれば、日本のNFT、メタバースやWeb3.0の業界は、JTC(Japan Traditional Company)と揶揄される労働文化を継承し、世界に取り残されることは明白でしょう。

metaverse Job Japanには先月、2022年7月から5~6人ほど、新しいメンバーが加わっているとHP上では見受けられます。

これらの人材に対しても私と同様に「使い捨て」の扱いをされるのか、また新しい労働紛争の種が起きるのではないのか?

「後輩」と言えるような立場ではありませんが、後輩のことを思うと、やはり心苦しくなります。

労働者に対する考え方について、松崎氏には今一度再考し、考えを改め資質を身につけられた上で、ホワイトでクリーンな事業体に企業体質を改善し、世界のNFTゲームギルド界、メタバース業界、Web3.0を牽引するリーダーに成長をしてもらいたいと願っております。


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